小腸閉塞をPOCUSで初期評価し、被曝とコストを抑える
Point-of-care ultrasound-first for the evaluation of small bowel obstruction: National cost savings, length of stay reduction, and preventable radiation exposure

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Academic Emergency Medicine
年月
July 2022
29
開始ページ
824

背景

小腸閉塞の診断における画像検査としてはCTがゴールドスタンダードとされてきたが、超音波検査も高い精度を持つことが示されている。
University of CincinnatiのBrowerらは、モンテカルロ法シミュレーションにより、小腸閉塞に対してポイント・オブ・ケア超音波検査(POCUS)を第一に用いたアプローチにより、削減しうる放射線被曝・救急外来滞在期間を推定した。

結論

POCUSファースト戦略は、全米で143,000件のCTスキャンを回避し、3010万ドルを節約すると推定された。これにより、救急病床使用時間は507,000時間削減されることになる。また、放射線被曝の低減により、年間195件のがん発症、98名のがん死亡を予防可能と考えられた。

評価

小腸閉塞は救急腹痛患者の数%を占めている。この研究は、POCUSファースト戦略によるコスト・被曝への効果を、全米規模での具体的な数字として示した。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)