機械学習ベースの敗血症早期警告システムTREWSを開発・検証
Prospective, multi-site study of patient outcomes after implementation of the TREWS machine learning-based early warning system for sepsis
背景
敗血症に対して効果を示した介入はわずかで、治療開発には頭打ち感が漂うが、そんな中改めて重要性を増しているのが敗血症の早期認識というテーマである。
Johns Hopkins UniversityのAdamsらは、機械学習ベースの敗血症警告システムTargeted Real-time Early Warning System (TREWS)を実臨床にデプロイし、5施設590,736名の患者でモニタリングを行い、TREWSと患者アウトカムの関連を検討する前向コホート研究を実施した。
結論
抗菌薬療法の開始に先立って警告システムによって同定された6,877例が解析の対象となった。アラートから3時間以内に評価・確認された患者グループでは、院内死亡率が減少した(絶対死亡率減3.3%)。臓器不全や入院期間についても、このグループが優った。高リスクコホートでは、タイムリーな抗菌薬投与により、より大きな死亡率(4.5%の絶対減)、臓器不全の改善が認められた。
評価
ジョンズ・ホプキンズ大学チームが開発し、臨床実装された敗血症警告システムで、高精度な早期発見(関連論文によれば真陽性率82%, https://doi.org/10.1038/s41591-022-01895-z)とタイムリーな抗菌薬投与がもたらされた。