肥満レベル1-2患者への肥満手術では内視鏡スリーブ胃形成術にMERITあり
Endoscopic sleeve gastroplasty for treatment of class 1 and 2 obesity (MERIT): a prospective, multicentre, randomised trial

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
The Lancet
年月
August 2022
400
開始ページ
441

背景

低侵襲内視鏡スリーブ胃形成術(ESG:Endoscopic Sleeve Gastroplasty)による肥満手術の安全性・有効性は。
Mayo ClinicのDayyehら(MERIT)は、終生食事制限に同意した分類1〜2肥満患者209名を対象として、これを検証するRCTを行った。患者を、1:1.5でESGに低カロリー食や運動などの生活習慣改善を併せて行うESG群(n=85)と、生活習慣改善のみのコントロール群(n=124)に割付け、52週以後必要に応じてESGへのクロスオーバーを行った。52週での一次エンドポイントは、超過体重減少率(EWL)である。

結論

ESGの一次エンドポイント効果を認めた(49.2% vs. 3.2%)。また、52週での平均総減量率・25%以上EWL達成率・代謝合併症改善(悪化)率でもESGが優った。効果は104週でも68%が維持された。ESG群に手技関連重大有害イベントが2%発生したが、死亡やICU入室はなかった。

評価

同著者による2013年のパイロット研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23711556/)を裏付け、低侵襲度ESG方式を有力オプションとした。このアプローチは、2019年系統レビュー(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31442601/)も支持しているが、長期データは未だ少ない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)