肥満レベル1-2患者への肥満手術では内視鏡スリーブ胃形成術にMERITあり
Endoscopic sleeve gastroplasty for treatment of class 1 and 2 obesity (MERIT): a prospective, multicentre, randomised trial
背景
低侵襲内視鏡スリーブ胃形成術(ESG:Endoscopic Sleeve Gastroplasty)による肥満手術の安全性・有効性は。
Mayo ClinicのDayyehら(MERIT)は、終生食事制限に同意した分類1〜2肥満患者209名を対象として、これを検証するRCTを行った。患者を、1:1.5でESGに低カロリー食や運動などの生活習慣改善を併せて行うESG群(n=85)と、生活習慣改善のみのコントロール群(n=124)に割付け、52週以後必要に応じてESGへのクロスオーバーを行った。52週での一次エンドポイントは、超過体重減少率(EWL)である。
結論
ESGの一次エンドポイント効果を認めた(49.2% vs. 3.2%)。また、52週での平均総減量率・25%以上EWL達成率・代謝合併症改善(悪化)率でもESGが優った。効果は104週でも68%が維持された。ESG群に手技関連重大有害イベントが2%発生したが、死亡やICU入室はなかった。
評価
同著者による2013年のパイロット研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23711556/)を裏付け、低侵襲度ESG方式を有力オプションとした。このアプローチは、2019年系統レビュー(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31442601/)も支持しているが、長期データは未だ少ない。