REDUCE-ITのEPA効果はプラセボ効果?
Effects of Randomized Treatment With Icosapent Ethyl and a Mineral Oil Comparator on Interleukin-1β, Interleukin-6, C-Reactive Protein, Oxidized Low-Density Lipoprotein Cholesterol, Homocysteine, Lipoprotein(a), and Lipoprotein-Associated Phospholipase A2: A REDUCE-IT Biomarker Substudy
背景
REDUCE-ITは、アイコサペント酸エチル(EPA)使用の心血管有益性を示す高インパクト結果を提出した。
Brigham and Women’s HospitalのRidkerらは、EPA群とプラセボ(鉱油)群とにおける動脈硬化リスク関連バイオマーカー(IL-1β・IL-6・hsCRP・酸化LDLコレステロール・ホモシステイン・Lp(a)・Lp-PLA2)を比較する再検証を行った。
結論
ベースライン時の各バイオマーカー中央値は、両群間同等であった。動脈硬化関連全バイオマーカーレベルは、プラセボ鉱油群で経時的に上昇した。12ヵ月後のベースラインからの増加率中央値は、ホモシステインで1.5%、Lp(a)で2.2%、酸化LDLコレステロールで10.9%、IL-6で16.2%、Lp-PLA2で18.5%、hsCRPで21.9%、IL-1βで28.9%で、24ヵ月後でも同様の変化がみられた。
他方、EPA群では、全バイオマーカーの変化は非有意だった。この結果、群間治療差は、Lp(a)で2.4%、ホモシステインで3.0%、酸化LDLコレステロールで4.2%、IL-6で19.8%、hsCRPで38.5%、IL-1βで48.7%で、鉱油群での上昇をほぼ反映していた 。
評価
類似のSTRENGTHがEPA+DHA を コーン油と比較して有意差を出さなかったため(https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2773120)、同研究者からREDUCE-ITが批判されていたものである。著者らは、ここでの結果とREDUCE-ITの主要結果(心血管イベント発生率)との関連はuncertainであると述べているが、プラセボが不適切であったことは確実である。