拘束性肺障害は、高血圧・DM・喫煙と同等にHFpEFと関連している
Lung function impairment and risk of incident heart failure: the NHLBI Pooled Cohorts Study Get access Arrow

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
European Heart Journal
年月
June 2022
43
開始ページ
2196

背景

肺機能障害と心不全(HF)発症リスクとの関連は。
Columbia UniversityのOelsnerらは、1987〜2004年の米国8人口ベースコホートの統合データ(n=31,677)に基づき、これを評価した。閉塞性障害をFEV1/FVC<0.70と、拘束性障害をFEV1/FVC≧0.70、FVC<80%と定義した。HFrEFの定義はEF<50%、HFpEFの定義はEF≧50%、HF発症の定義は、HFによる入院または死亡である。

結論

中央値21.0年の追跡で3344件のHFイベントが発生した([HFrEF]1030[HFpEF]1036)。閉塞性(HR:1.17)・拘束性(HR:1.43)障害は何れもHFpEF発症と関連していた。拘束性障害のHFpEFとの関連の程度は、高血圧・糖尿病・喫煙との関連と同等であった。

評価

HFpEFと肺障害の関連は長く注目されているが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27256752/)、大規模長期データにより、特に拘束性障害がHFpEFを起因するという可能性を提起した。HFpEF患者でスパイロメトリ検査をルーチン化する、という実践帰結を伴っており、EHJEditorialは、「HFp2EF」という概念の導入を示唆している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)