拘束性肺障害は、高血圧・DM・喫煙と同等にHFpEFと関連している
Lung function impairment and risk of incident heart failure: the NHLBI Pooled Cohorts Study Get access Arrow
背景
肺機能障害と心不全(HF)発症リスクとの関連は。
Columbia UniversityのOelsnerらは、1987〜2004年の米国8人口ベースコホートの統合データ(n=31,677)に基づき、これを評価した。閉塞性障害をFEV1/FVC<0.70と、拘束性障害をFEV1/FVC≧0.70、FVC<80%と定義した。HFrEFの定義はEF<50%、HFpEFの定義はEF≧50%、HF発症の定義は、HFによる入院または死亡である。
結論
中央値21.0年の追跡で3344件のHFイベントが発生した([HFrEF]1030[HFpEF]1036)。閉塞性(HR:1.17)・拘束性(HR:1.43)障害は何れもHFpEF発症と関連していた。拘束性障害のHFpEFとの関連の程度は、高血圧・糖尿病・喫煙との関連と同等であった。
評価
HFpEFと肺障害の関連は長く注目されているが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27256752/)、大規模長期データにより、特に拘束性障害がHFpEFを起因するという可能性を提起した。HFpEF患者でスパイロメトリ検査をルーチン化する、という実践帰結を伴っており、EHJEditorialは、「HFp2EF」という概念の導入を示唆している。