帝王切開での出生は小児がんリスク?
Association between caesarean birth and childhood cancer: An age-lagged approach
背景
日本では出産の1/5から1/4が帝王切開によるが、帝王切開と小児がんという気がかりなテーマが浮上した。
カナダInstitut national de sante publique du QuebecのMarcouxらは、2006~2020年にケベック州で誕生した1,034,049名をフォローアップ調査したコホートにおいて、帝王切開・経腟器械分娩・自然分娩と造血器腫瘍・固形腫瘍との関連を検討した。
結論
249,415児(24.1%)が帝王切開、97,411児(9.4%)が経腟器械分娩により誕生した。帝王切開はすべてのがんのリスクが高く(ハザード比1.16)、造血器がん(1.12)・固形がん(1.21)でも関連がみられた。関連の強さは2歳で最も高く、リンパ腫・肉腫で大きかった。経腟器械分娩兎眼リスクとの有意な関連は認められなかった。
評価
帝王切開による誕生は、僅かながら有意な小児がんリスクの上昇と関連した。この関連が他のコホートでも再現されるか、あり得る機序はなにか(本論文は細菌叢の撹乱やホルモン曝露の有無などを候補としている)、追加の調査が待たれる。