コロナ第一波、ICU臨時病床での死亡増なし:UNITE-COVID研究
Clinical and organizational factors associated with mortality during the peak of first COVID-19 wave: the global UNITE-COVID study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Intensive Care Medicine
年月
May 2022
48
開始ページ
690

背景

ICUはCOVID-19パンデミックの最前線となり、患者数の急増に非常的対応を迫られた。
イタリアHumanitas UniversityのGrecoらは、2020年2月15日から5月15日の期間に世界46ヵ国、280のICUに入室したPCR陽性のCOVID-19成人患者4,994名を対象とした点有病率研究を実施し、新型コロナウイルス第一波へのICUの対応を記述した。

結論

データの60%がヨーロッパ、22%がアジアのものであった。ICUの多くが他科から人員を増員、総病床数は4,931床から7,630床へと拡大しており、患者の39.8%が拡大病床へ入室した。85.8%が入室中に侵襲的換気を要し、60日死亡率は33.9%、ICU死亡率は32.7%であった。高齢、侵襲的換気、AKIが死亡リスク因子であった。拡大病床への入室は、死亡率と関連しなかった。

評価

コロナパンデミックの第一波にあってICU入室患者の死亡率は高かったものの、全体で1.5倍まで拡大した臨時病床での死亡率増はみられず、各施設・スタッフが可能な限りの対応をしたことを伺わせた。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)