がん患者のコロナワクチン後のブレイクスルー感染リスクは一般集団より高い
Risk and Outcome of Breakthrough COVID-19 Infections in Vaccinated Patients With Cancer: Real-World Evidence From the National COVID Cohort Collaborative
背景
COVID-19ワクチン接種後には一定の割合でブレイクスルー感染が生じるが、がん患者のリスクは?
Wake Forest School of MedicineのSongらは、同国のNational COVID Cohort Collaborativeコンソーシアムにおいて、2020年12月1日から2021年5月31日に発生したmRNA COVID-19ワクチン接種後のブレイクスルー感染を特定し、担がんワクチン接種患者のブレイクスルー感染リスクとアウトカムを調査した(n=6,860)。
結論
このコホートで確認されたブレイクスルー感染の21.3%が、担がん患者であった。固形がん・血液がん患者では、ブレイクスルー感染のリスクが高く(オッズ比1.12)、COVID-19アウトカムも悪かった(1.33)。血液がん患者では、特にリスクが高かった(リンパ腫患者でオッズ比2.43、白血病で6.15、多発性骨髄腫で7.92)。ブレイクスルー感染のリスクは、2回目のワクチン接種で大きく低下し(オッズ比0.04)、ファイザー社ワクチンとの比較して、モデルナワクチンでも低下した(0.66)。
評価
がん患者、特に血液がん患者では、ブレイクスルー感染のリスクが高いことを確認した。2回目のワクチン接種によりリスクは大きく低下しており、優先的な接種が求められる。