酷暑は心血管因死亡を増す:米3108郡の解析
Association of Extreme Heat and Cardiovascular Mortality in the United States: A County-Level Longitudinal Analysis From 2008 to 2017
背景
酷暑の健康インパクトに新しいデータがでてきている。
University of PennsylvaniaのKhatanaらは、2008〜2017年米国本土 3108郡における夏季の日別気候と成人の心血管(CV)死亡データの関連を解析した。「異常高温日」の定義は、最高外気温が32.2 ℃以上で、基準期間(1979〜2007 年)同日の最高気温指数の99 パーセンタイルに入る日である。
結論
異常高温日の1日増ごとに、月間CV死亡率が 0.12%有意に増加した。期間中における異常高温日によるCV死亡は5,958 名と推定された。女性に比して男性(0.20%)、 非ヒスパニック系白人に比して非ヒスパニック系黒人成人(0.19%)で死亡率が高く、高齢者では非高齢者より絶対増が大きかった(1ヵ月・1,000万人あたり追加死亡数16.6)。
評価
同グループは全原因死亡に対する酷暑のインパクトに関しても報告している(https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2792389)。全原因死亡・心血管因死亡共に増えており、性差・年齢差・人種差が明かである。