ファースト・イン・クラスのHSP90阻害薬が進行GISTで有効性示す
Pimitespib in patients with advanced gastrointestinal stromal tumor (CHAPTER-GIST-301): a randomized, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial
背景
ヒートショックプロテイン90(HSP90)は、がんに関連する様々な遺伝子変異が依存する分子シャペロンであり、抗がん標的として注目されてきた。
日本Osaka University (大阪大学大学院医学系研究科)のKurokawaらは、TKI治療に抵抗性の進行した消化管間葉系腫瘍(GIST)患者を対象に、HSP90阻害薬pimitespibまたはプラセボを2:1で割り付ける第3相多施設共同ランダム化比較試験JapicCTI-184094を実施した(n=86)。
結論
無増悪生存期間(PFS)中央値は、pimitespib群で2.8ヵ月、プラセボ群では1.4ヵ月であった(ハザード比0.51)。プラセボ群の17名がpimitespibへとクロスオーバーしており、クロスオーバー後のPFSは2.7ヵ月であった。クロスオーバーを補正した全生存期間はpimitespib群13.8ヵ月、プラセボ群で7.6ヵ月であった(0.42)。Pimitespib群の治療関連有害事象として、下痢、食欲減退が多くみられた。治療関連有害事象により3例(5%)で投与中止に至った。
評価
HSP90阻害を実用化したファースト・イン・クラス薬で、TKI抵抗性となった進行GIST患者でPFS・OSを有意に改善した。この結果に基づいて国内承認を得ている。