HPV検査陰性なら子宮頸がん検診の間隔を延長できる
Extension of cervical screening intervals with primary human papillomavirus testing: observational study of English screening pilot data
背景
子宮頸がん検診ではHPV検査単独法の有効性が確立されているが、初回のHPV検査が陰性であった女性で検診間隔を延長できるかどうかという問題はコンセンサスに至っていない。
イギリスKing’s College LondonのReboljらは、細胞診からHPV検診へと切り替えた同国English Cervical Screening Programmeの第1/第2ラウンド(50歳未満では3年毎、50歳以上では5年毎)のリアルワールドデータを用いて、初回HPV検査陰性後の高度(CIN3)以上の異形成および子宮頸がんリスクを検討した(n=1,341,584)。
結論
50歳未満女性では、第1ラウンドHPV陰性後の第2ラウンドにおけるCIN3+検出率は、細胞診後よりも有意に低く(調整オッズ比0.26)、中間期子宮頸がんリスクも低かった(調整ハザード比0.44)。50歳以上の女性が、HPV陰性から5年後のラウンドでCIN3+を検出される確率は、50歳未満女性の3年5ラウンドよりもさらに低かった(オッズ比0.46)。また、初回HPV陽性後の再検査(12、24ヵ月後)でHPV陰性となった女性は、初回陰性の女性よりもCIN3+検出率が高かった(3.27)。
評価
HPV単独法へのパイロット的切り替えが行われた検診プログラムからの貴重なリアルワールドデータである。検診HPV検査が陰性であった女性ではその後5年、50歳以上ではさらに長く検診間隔を延長しうることを明らかにした。