乳幼児先天性心疾患手術のCPBでのNO使用はNo
Effect of Nitric Oxide via Cardiopulmonary Bypass on Ventilator-Free Days in Young Children Undergoing Congenital Heart Disease Surgery: The NITRIC Randomized Clinical Trial
背景
2歳未満児の先天性心疾患手術において、心肺バイパス(CPB)への一酸化窒素(NO)付加が有益である、という示唆がある。
オーストラリアRoyal Children’s Hospital MelbourneのButtらは、同手術を受ける小児1,371名を対象として、この仮説を検証するRCTを行った(NO:20ppm;対照:標準ケア)。一次エンドポイントは、バイパス開始後28日目までの無呼吸日数である。
結論
介入の一次エンドポイント効果を認めなかった(26.6日 vs. 26日)。
評価
CPBでのNO使用に関しては、TOF手術で有益とした古典的小規模RCTがあり(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022522312014316)、また、心筋虚血の緩和の他AKI予防にも効果があるとしたRCTもあるが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29932345/)、この国際大規模RCTは乳幼児手術への適応に強い否定的エビデンスを提出した。