米パンデミック2年目でCOVID-19患者のSTEMI死亡率は激減
Trends in Clinical Presentation, Management, and Outcomes of STEMI in Patients With COVID-19
背景
COVID-19パンデミック期におけるST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者の状況に関して多くの調査が行われている。
The Christ HospitalのHenryらは、北米におけるCOVID-19感染STEMI入院患者の前向・医師主導・多施設観察レジストリNACMIデータに基づき、パンデミック初年(2020年1月〜2020年12月)と2年目(2021年1月〜2021年12月)におけるSTEMI患者の臨床特性・管理・アウトカムの比較報告を行っている。
結論
COVID-19陽性STEMI患者のNACMI登録は、2020年に227名、2021年に359名であった。2021年には白人患者率が増し(58% vs 39%)、典型的虚血症状が増えたが(59% vs 51%)、PCI前のショック(13% vs 18%)・肺症状(33% vs. 47% )は少なかった。院内死亡率は33%(2020年)から23%(2021年)に低下した。2021年では、ワクチン接種患者22名では院内死亡はなかったが、ワクチン未接種患者37名(22%)が院内死亡した。
評価
初期のレジストリ調査(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34391035/)は、米におけるCOVID-19患者のSTEMI治療に混乱があることを報告した。2年目における院内死亡率の激減とワクチン効果は印象的である。


