電極を体の前後に貼付るとカルディオバージョン成功率が下がる:EPIC試験
Anterior-Lateral Versus Anterior-Posterior Electrode Position for Cardioverting Atrial Fibrillation

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Circulation
年月
December 2021
144
開始ページ
1995

背景

電気的除細動における電極パッドの位置については前外側(右胸部と左外側部)の他に、前後(前胸部と後背部)がより効果的であるとする報告があるが、エビデンスは限定的であった。
デンマークRanders Regional HospitalのSchmidtらは、除細動が予定されている心房細動患者(多くは持続性)を、前外側(右胸部・左腋窩部)法または前後(前胸部・左後背部)法による二相性除細動へと割り付け、初回ショック後の洞調律回復率を比較する多施設ランダム化比較試験EPICを実施した(n=468)。

結論

初回ショック後の洞調律回復率は、前外側法で54%、前後法では33%であった。最大エネルギーまで漸増する4回のショック後の洞調律回復率は、それぞれ93%、85%であった。安全性アウトカムに群間差はなかった。

評価

電極は前後の方が良いとも考えられてきたが、本試験では前外側の方が初回成功率が高かった。現時点でこのテーマに関する最良のエビデンスであり、前外側法が標準とみなされるべきである。

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取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)