Teclistamabが難治性骨髄腫患者の6割で奏効:MajesTEC-1試験
Teclistamab in Relapsed or Refractory Multiple Myeloma
背景
Teclistamabは、骨髄腫細胞表面のB細胞成熟抗原(BCMA)およびT細胞表面のCD3を標的とすることで、BCMA陽性細胞へT細胞を誘導する新たな二重特異性抗体で、MajesTEC-1試験の第1相部において有望な活性を示した。
フランスUniversity Hospital Hotel-DieuのMoreauらは、MajesTEC-1試験の第2相部として、免疫調節薬・プロテアソーム阻害薬・抗CD38抗体による治療を含め、3ライン以上の治療歴を有する再発・難治骨髄腫患者を登録して、teclistamabの皮下投与を行い、全奏効率を検証した(n=165)。
結論
患者の77.8%は3クラス耐性を有し、治療歴の中央値は5ラインであった。フォローアップ期間14.1ヵ月(中央値)で、全奏効率は63.0%であり、39.4%は完全奏効以上であった。26.7%の患者は微小残存病変が検出されなかった。奏効持続期間の中央値は18.4ヵ月、無増悪生存期間は11.3ヵ月であった。有害事象として、サイトカイン放出症候群・好中球減少症・貧血・血小板減少症が多くみられた。感染症は76.4%で、神経毒性は14.5%で発生した。
評価
多重治療歴を有するMM患者で高率かつ持続的な奏効を示した。既存の治療オプションが尽きた患者に希望をもたらす新規治療薬である。