敗血症患者へのビタミンC投与は有害?:LOVIT試験
Intravenous Vitamin C in Adults with Sepsis in the Intensive Care Unit
背景
高用量ビタミンC療法はさまざまな疾患に対して試みられてきたが、ベネフィットは明確にされていない。
カナダUniversite de SherbrookeのLamontagneらは、感染が確認または疑われ、昇圧剤投与を受ける入室24時間以内のICU成人患者に対して、ビタミンCまたはプラセボを6時間おきに最長96時間投与するランダム化比較試験LOVITを実施した(n=872)。
結論
一次アウトカム(28日目までの死亡または臓器不全の持続)率は、ビタミンC群44.5%、プラセボ群38.5%であった(リスク比1.21)。28日死亡率はそれぞれ35.4%、31.6%で(1.17)、臓器不全の持続率は9.1%、6.9%であった(1.30)。その他のアウトカムについては両群で同程度であった。ビタミンC群では1名が重度の低血糖を、1名が重篤なアナフィラキシーを発症した。
評価
高用量ビタミンC療法は(少なくとも)有害ではないとみなされており、そのことが数多くの検証を正当化した面もあるが、本試験の結果はこの前提に疑いを投げかける。現在、さらにLOVIT-COVID試験、LOVIT ARDS試験が進行中である。