患者報告アウトカムの遠隔モニタリングで進行がん患者のQOLが改善:PRO-TECT試験
Effect of Electronic Symptom Monitoring on Patient-Reported Outcomes Among Patients With Metastatic Cancer: A Randomized Clinical Trial
背景
がん患者は疾患や治療の結果としてさまざまな症状を経験するが、患者報告アウトカム(PRO)の形でこれらの症状を把握することで、患者の管理を改善するアプローチが試みられている。
University of North CarolinaのBaschらは、米コミュニティがん診療所52施設において、切除不能がんの治療を受ける成人患者(n=1,191)を、インターネットまたは自動電話システムによるPROモニタリング、または通常ケアへと割り付けるクラスターランダム化比較試験PRO-TECT(Alliance AFT-39)を実施し、二次アウトカムである身体機能、症状コントロール、健康関連QOLについて報告した。
結論
3ヵ月間の平均QLQ-C30変化は、身体機能・症状コントロール・健康関連QOLとも、通常ケアと比してPRO群で有意に改善した。また、PRO群では、身体機能、症状コントロール、健康関連QOLについて、臨床的意義のあるベネフィットがもたらされる確率が高かった。
評価
遠隔PROモニタリングの統合により、3ヵ月後のQOLが有意に改善した。この報告の時点では得られていない生存率(一次アウトカム)結果も注目される。