救急肺塞栓患者の外来管理を促進する
Sustainability of a Clinical Decision Support Intervention for Outpatient Care for Emergency Department Patients With Acute Pulmonary Embolism

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Network Open
年月
May 2022
5
開始ページ
e2212340

背景

低リスクの肺塞栓症(PE)は安全に外来管理可能であることが示されているが、いまだ入院による管理が一般的である。
eSPEED試験は、急性PEのための電子カルテに組み込まれたウェブベース臨床意思決定支援システムを導入し、(ピア・チャンピオンと呼ばれる)現場の医師リーダー主導による教育、システムのプロモーション、監査・フィードバック、ロールモデルを提供する介入を実施、介入群で外来管理が増加することを示した。
Permanente Medical GroupのVinsonらは、同試験に参加した21の地域病院の救急部門において、介入の効果が持続しているかを後向に評価した(n=1,039)。

結論

PE Severity Indexに基づき45.6%が低リスクと評価された。全体で26.8%が外来患者としてケアを受け、このうち1.4%のみが7日以内にPE関連入院した。低リスク患者の外来管理率は、介入施設群では46.2%、対照施設群では34.0%であった。

評価

介入研究は低リスクPE患者の外来管理率を有意に向上させたが、この介入によって生じた管理実践の差は、研究から4年後にも存続していた。PE管理の改善を目指す施設に、有力なモデルを提供する研究である。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)