ボタン電池の誤飲による気道損傷:系統的レビュー
Airway Complications Resulting From Pediatric Esophageal Button Battery Impaction: A Systematic Review
背景
ボタン電池の誤飲は致死的な結果をもたらしうる危険な誤飲事故である。多くの研究がボタン電池による食道損傷に焦点を当ててきたが、気道損傷のリスクもはらむ。
カナダUniversity of TorontoのPhilteosらは、各種文献データベースに加えてNational Capital Poison Center(NCPC)のデータベースも利用し、小児におけるボタン電池誤飲後の気道損傷を検討した。
結論
195例を解析した。患者は男児95名、平均月齢17.8ヵ月であった。ボタン電池の誤飲から除去までの平均時間は5.8日であった。一般的な気道事象として、155例で食道気管瘻、16例で片側声帯麻痺が認められた。23名は両側声帯麻痺を有した。多くの食道気管瘻は外科的処置を必要とし、死亡に至った14名全員で食道気管瘻の関与があった。
評価
誤飲場面の多くは目撃されておらず、診断と処置の遅れにつながった。誤飲による気道損傷としては気道食道瘻が一般的で、少なくない患児で致死的な結果をもたらした。


