頸動脈複雑プラークは脳梗塞・TIAの再発リスク:CAPIAS研究
Complicated Carotid Artery Plaques and Risk of Recurrent Ischemic Stroke or TIA

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
June 2022
79
開始ページ
2189

背景

内腔表面の欠損・出血・血栓・石灰化を伴う病変として定義される頸動脈複雑性プラーク(AHA type VI)は、虚血性脳卒中の原因となりうることが示唆されている。
ドイツLMU MunichのKopczakらは、単一の頸動脈系で生じた脳梗塞患者(n=196)を登録し、発症10日以内の頸動脈MRIにおける頸動脈複雑性プラークと、脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)再発の関連を検討する多施設前向研究を実施した。

結論

104名が潜因性脳梗塞と非狭窄性の頸動脈プラークを有していた。平均30ヵ月のフォローアップ期間中に、21名で脳梗塞・TIAの再発が認められた。同側の頸動脈複雑性プラークを有する患者では、コホート全体でも、潜因性脳梗塞患者でも再発イベントの頻度が高く、この結果は同側のイベントによるものであった。線維性被膜の破綻(ハザード比4.91)とプラーク内出血(4.37)は、再発リスクの増加と関連した。

評価

狭窄50%未満の同側頸動脈複雑性プラークの存在が、再発リスクの高い集団を形成することを明らかにした。特別な二次予防戦略が可能か、検討されていくことになるだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)