頸動脈複雑プラークは脳梗塞・TIAの再発リスク:CAPIAS研究
Complicated Carotid Artery Plaques and Risk of Recurrent Ischemic Stroke or TIA
背景
内腔表面の欠損・出血・血栓・石灰化を伴う病変として定義される頸動脈複雑性プラーク(AHA type VI)は、虚血性脳卒中の原因となりうることが示唆されている。
ドイツLMU MunichのKopczakらは、単一の頸動脈系で生じた脳梗塞患者(n=196)を登録し、発症10日以内の頸動脈MRIにおける頸動脈複雑性プラークと、脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)再発の関連を検討する多施設前向研究を実施した。
結論
104名が潜因性脳梗塞と非狭窄性の頸動脈プラークを有していた。平均30ヵ月のフォローアップ期間中に、21名で脳梗塞・TIAの再発が認められた。同側の頸動脈複雑性プラークを有する患者では、コホート全体でも、潜因性脳梗塞患者でも再発イベントの頻度が高く、この結果は同側のイベントによるものであった。線維性被膜の破綻(ハザード比4.91)とプラーク内出血(4.37)は、再発リスクの増加と関連した。
評価
狭窄50%未満の同側頸動脈複雑性プラークの存在が、再発リスクの高い集団を形成することを明らかにした。特別な二次予防戦略が可能か、検討されていくことになるだろう。