特発性脳内出血のトリガー:PAF最高はコーヒー(カフェイン)
Trigger Factors for Spontaneous Intracerebral Hemorrhage: A Case-Crossover Study
背景
特発性脳出血のトリガーは。
オランダLeiden UniversityのEttenらは、2013〜2019年の1,101脳内出血例中発症早期に会話が可能であった149名の患者を対象とする詳細インタビューの結果を報告している。ケース・クロスオーバー法で脳内出血の相対リスク(RR)を算出した。出血部位は、脳葉45%・深部40%・小脳13%等であった。
結論
有意なリスク因子(RR2.5〜37.6)は以下の通りであった。1時間以内のコーヒー(カフェイン)摂取、軽度の頭部打撲、性行為、2つのバルサルバ行為(排便時いきみや重量物挙上)、激しい運動、24時間以内の風邪様症状か発熱。最も人口寄与率(PAF)が高かったのはコーヒーで、34%であった。
評価
特定された因子の多くは血圧上昇因子でもあり、周知の関連である(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31959502/)。カフェインは血圧上昇因子であるとともに、凝固第VIII因子低下因子でもあることが知られている。著者らは、出血直前のこれらリスク因子への曝露が血圧サージをもたらし、脳出血巣形成にいたるカスケードを駆動する、という見方を示している。