sLOX-1はACSにおけるユニークなプラーク脆弱性指標
Soluble lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1 predicts premature death in acute coronary syndromes
背景
アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の発症に対するレクチン様酸化LDL受容体1(LOX-1)とその遊離産物(shedding product)である可溶性LOX-1(sLOX-1)の重要性が明かになりつつある。
スイスUniversity of ZurichのLuscherらは、ACS患者におけるsLOX-1と致死的イベントおよびプラーク進行の関連を検討する前向ケース・コントロール研究を行った(n=2,924)。
結論
慢性冠症候群(CCS)患者・健常対照者と較して、ACS患者はsLOX-1レベルが上昇し(aHR、3.11)、1年死亡リスクも高かった(aHR 2.04)。結果はGRACE 2.0による調整後も一貫していた。IVUS・OCT追跡を行ったスタチン治療ACS患者では、1年後に冠動脈プラークが退縮した患者でsLOX-1が有意に低下しており、同指標のプラーク進展識別能のAUCは0.74だった。
評価
このテーマにおける最初で最大のケースコントロール研究で、sLOX-1がACSにおけるユニークな脆弱プラーク指標であることを示唆した。hs-CRP・hs-TnTとは独立した致死性予測因子であるとしており、費用効果の面からも魅力的である。有力なパイロット研究であり、大規模追試が期待される。