救急外来での身体拘束は減らせるか:興奮対応チームの設計と実装
Design and Implementation of an Agitation Code Response Team in the Emergency Department

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
May 2022
79
開始ページ
453

背景

救急患者では興奮・不穏を伴う行動障害の対処に難渋する場合があるが、身体拘束は最小限であることが好ましい。
Yale-New Haven HospitalのWongらは、救急外来での身体拘束の実施を減少させることを目的として、ベースライン期間、トレーニングとプロトコルの設計期間、コード対応チームの実装期間の3段階からなる5年間の品質改善研究を行い、身体拘束の傾向を比較した。

結論

634,578件の救急受診があった。3つの期間で身体拘束はしだいに有意減少し(1.1%、0.9%、0.8%)、第1段階から第3段階では相対27.3%の減少となった。分割時系列解析では、第2段階では隔週ごとの有意な減少の傾向が認められ、第3段階ではさらに持続的に減少した。

評価

ステークホルダーによるフォーカスグループ、チームトレーニングを通じて、興奮対応プロトコルとコードチームを設計・実装する組織包括的な品質改善への投資が実を結び、身体拘束の減少がもたらされた。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)