救急外来での身体拘束は減らせるか:興奮対応チームの設計と実装
Design and Implementation of an Agitation Code Response Team in the Emergency Department
背景
救急患者では興奮・不穏を伴う行動障害の対処に難渋する場合があるが、身体拘束は最小限であることが好ましい。
Yale-New Haven HospitalのWongらは、救急外来での身体拘束の実施を減少させることを目的として、ベースライン期間、トレーニングとプロトコルの設計期間、コード対応チームの実装期間の3段階からなる5年間の品質改善研究を行い、身体拘束の傾向を比較した。
結論
634,578件の救急受診があった。3つの期間で身体拘束はしだいに有意減少し(1.1%、0.9%、0.8%)、第1段階から第3段階では相対27.3%の減少となった。分割時系列解析では、第2段階では隔週ごとの有意な減少の傾向が認められ、第3段階ではさらに持続的に減少した。
評価
ステークホルダーによるフォーカスグループ、チームトレーニングを通じて、興奮対応プロトコルとコードチームを設計・実装する組織包括的な品質改善への投資が実を結び、身体拘束の減少がもたらされた。