軽度の急性憩室炎は抗菌薬不要で外来管理可能:DINAMO試験
Efficacy and Safety of Nonantibiotic Outpatient Treatment in Mild Acute Diverticulitis (DINAMO-study): A Multicentre, Randomised, Open-label, Noninferiority Trial
背景
近年のエビデンスは合併症のない憩室炎では抗菌薬とプラセボに差がないことを示唆している。スペインUniversitat Autonoma de BarcelonaのMora-LopezらDINAMOによるDINAMO研究は、救急外来を受診しCTにより軽症憩室炎と診断された患者を、従来治療(抗炎症・対症療法に加えてアモキシシリン/クラブラン酸)と抗炎症・対症療法のみを比較する多施設ランダム化非劣性試験を実施した(n=480)。
結論
入院率は従来治療群で5.8%、抗炎症・対症療法群では3.3%であり、抗炎症・対症療法のみの実験群の非劣性が確認された。再受診率は、それぞれ6.7%、7%、2日後の疼痛コントロール不良は5.7%、2.3%であった。
評価
先行RCTが示す通り、抗菌薬療法に利点はなく(https://doi.org/10.1002/bjs.8688, https://doi.org/10.1002/bjs.10309, https://doi.org/10.1016/j.cgh.2020.03.049)、合併症のない憩室炎では抗菌薬なしの管理が可能と考えられる。