肥満者の食物キュー特性に働きかける新規減量療法ROCプログラム
Effect of a Novel Intervention Targeting Appetitive Traits on Body Mass Index Among Adults With Overweight or Obesity: A Randomized Clinical Trial
背景
食刺激(キュー)反応に働きかけるregulation of cues(ROC)プログラムは減量に有効か。また行動療法(BWL)へのその上乗せの有効性は。
University of CaliforniaのBoutelleらは、肥満患者271名を対象としてこれを検証するRCTを行った。患者を12ヵ月間、キューへの食反応(food responsiveness:FR)と満腹反応(satiety responsiveness:SR)への働きかけを行うROC群、カロリー制限や身体活動量の増加等行動療法的アプローチをとるBWLをROCと併せたBML+ROC群、BWLのみ群、マインドフルネスや栄養教育などを行うActive comparator(AC)群に割り付け、12ヵ月フォローアップした。一次アウトカムはBMIの変化である。
結論
ROC・BMI+ROC・BWLの一次アウトカム効果を認めた(ROC −1.18・BML+ROC −1.56・BWL −1.58)。BWLのみ群と比較してROCとBML+ROCに有意差はなかったが 、AC群は有意に高かった。この結果は24ヵ月後も同等だった。FRは介入効果の変容因子であり、ROCとBML+ROC群において高FR者で減量効果が強かった。
評価
肥満者の飢餓感や食欲の自制を支援する認知療法の有用性を示唆する発端研究である。追試と手法の洗練が期待される。