Indolentなマントル細胞リンパ腫にイブルチニブ+リツキシマブ:第2相IMCL-2015試験
Ibrutinib in Combination With Rituximab for Indolent Clinical Forms of Mantle Cell Lymphoma (IMCL-2015): A Multicenter, Open-Label, Single-Arm, Phase II Trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
April 2022
40
開始ページ
1196

背景

インドレント(低悪性度)なマントル細胞リンパ腫(MCL)の最適治療についてのコンセンサスはなく、さまざまな管理が模索されている。スペインHospital Clinic of BarcelonaのGineらは、インドレントな臨床型の未治療MCL患者(n=50)に対して、毎日1回のイブルチニブと計8回のリツキシマブ投与を行い、微小残存病変(MRD)陰性が持続する場合、2年後に治療を中断する第2相試験を実施視した。

結論

12サイクルの治療後、84%の患者(42名)が全奏効を達成し、80%(40名)は完全奏効であった。また、末梢血MRD陰性は87%で達成された。2年後の時点で評価可能な患者の69%が、持続的なMRD陰性によりイブルチニブを中断していた。4名では病勢が進行し、3名はnon-nodal(節外病変主体)MCLであり、試験登録時のゲノム複雑性が高くTP53変異を有した。重篤な再生不良性貧血が1名でみられたほかは、予期せぬ毒性は認められなかった。

評価

イブルチニブ+リツキシマブは、この患者集団で高いCR率を達成し、多くの患者でMRD結果に基づく治療の中断が可能であった。インドレントMCL治療に個別化をもたらすアプローチとして、さらなる検証が行われるだろう。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)