Indolentなマントル細胞リンパ腫にイブルチニブ+リツキシマブ:第2相IMCL-2015試験
Ibrutinib in Combination With Rituximab for Indolent Clinical Forms of Mantle Cell Lymphoma (IMCL-2015): A Multicenter, Open-Label, Single-Arm, Phase II Trial
背景
インドレント(低悪性度)なマントル細胞リンパ腫(MCL)の最適治療についてのコンセンサスはなく、さまざまな管理が模索されている。スペインHospital Clinic of BarcelonaのGineらは、インドレントな臨床型の未治療MCL患者(n=50)に対して、毎日1回のイブルチニブと計8回のリツキシマブ投与を行い、微小残存病変(MRD)陰性が持続する場合、2年後に治療を中断する第2相試験を実施視した。
結論
12サイクルの治療後、84%の患者(42名)が全奏効を達成し、80%(40名)は完全奏効であった。また、末梢血MRD陰性は87%で達成された。2年後の時点で評価可能な患者の69%が、持続的なMRD陰性によりイブルチニブを中断していた。4名では病勢が進行し、3名はnon-nodal(節外病変主体)MCLであり、試験登録時のゲノム複雑性が高くTP53変異を有した。重篤な再生不良性貧血が1名でみられたほかは、予期せぬ毒性は認められなかった。
評価
イブルチニブ+リツキシマブは、この患者集団で高いCR率を達成し、多くの患者でMRD結果に基づく治療の中断が可能であった。インドレントMCL治療に個別化をもたらすアプローチとして、さらなる検証が行われるだろう。


