空輸チームは郊外発症脳卒中での血栓回収を早める
Association Between Use of a Flying Intervention Team vs Patient Interhospital Transfer and Time to Endovascular Thrombectomy Among Patients With Acute Ischemic Stroke in Nonurban Germany
背景
非都市部で発症した急性脳梗塞患者を空路で搬送することは、血栓回収までの時間を短縮し、アウトカムを改善することができるか。
ドイツAcademic Teaching hospital of the Ludwig-Maximilians-UniversityのHubertらは、同国非都市地域のテレメディシン脳卒中センター13施設で、血栓回収術を行うことが決定され空輸介入チームが展開、または病院間搬送が開始された急性脳梗塞患者を対象に、血栓回収までの時間を比較する非ランダム化比較介入試験を実施した(n=157)。
結論
72名が空輸チームによる治療を受け、85名が転院された。血栓回収療法はそれぞれ83%、67%で実施された。血栓回収療法の実施決定から開始までの時間は空輸群で58分、転院群148分であった。3ヵ月後の修正ランキンスケールは両群とも中央値3で、有意な差はなかった(調整共通オッズ比1.91)。
評価
遠隔センターへの搬送を検証したスペインRACECAT試験とともにJAMAに掲載された(https://doi.org/10.1001/jama.2022.4404)。本研究でみられた空輸による血管内治療までの時間短縮が、アウトカム改善につながるかは定かでなく、さらなる研究が求められる。


