III期非小細胞肺がんへの地固めデュルバルマブ、堅固なベネフィット:PACIFIC試験の5年結果
Five-Year Survival Outcomes From the PACIFIC Trial: Durvalumab After Chemoradiotherapy in Stage III Non-Small-Cell Lung Cancer
背景
PACIFIC試験は、プラチナベース化学放射線療法後に病勢進行のみられなかったステージIIIの非小細胞肺がん患者(n=713)を対象に、抗PD-L1抗体薬デュルバルマブまたはプラセボを2:1で投与する第3相ランダム化比較試験であり、さきにデュルバルマブ群での無増悪生存期間、さらに全生存期間も延長したことを報告している。Sarah Cannon Research InstituteのSpigelらは、同試験における割り付け後5年での生存期間についての探索的解析結果を報告した。
結論
最新の全生存期間はデュルバルマブ群で中央値47.5ヵ月、プラセボ群で29.1ヵ月(層別ハザード比0.72)、無増悪生存期間はそれぞれ16.9ヵ月、5.6ヵ月と、以前の解析と一貫したベネフィットが示された。推定5年生存率はデュルバルマブ群42.9%、プラセボ群33.4%であり、5年PFSはそれぞれ33.1%、19.0%であった。
評価
以前の結果により化学放射線療法後の地固めとして標準治療となっていたが、5年経過時点でもデュルバルマブによる堅固なベネフィットが示された。今後の新規治療候補が目指すべきベンチマークとなる。