ケタミン鎮痛へのハロペリドール併用で興奮を抑制
Sub dissociative dose of ketamine with haloperidol versus fentanyl on pain reduction in patients with acute pain in the emergency department; a randomized clinical trial
背景
解離用量以下のケタミンによる鎮痛は、副作用が少なく世界的に用いられているが、ケタミンで現れることのある興奮状態をハロペリドールの併用で抑制することはできるか。
イランTehran University of Medical SciencesのMoradiらは、急性疼痛を伴い救急外来を受診した成人患者を、ケタミン+ハロペリドールまたはフェンタニルの静脈投与へと割り付け、投与前後の疼痛スコアと副作用を比較するランダム化比較試験を実施した(n=200)。
結論
ベースラインの疼痛スコアに群間差はなかったが、投与後5分、10分、15分、30分のすべてでケタミン+ハロペリドール群の疼痛スコアの方が低かった。レスキュー鎮痛薬の使用は、ケタミン+ハロペリドール群の9%、フェンタニル群の34%で必要となった。興奮スコアは、10分時点でケタミン群の方が高かった以外、両群の差はなかった。
評価
ケタミンの数少ない副作用である興奮を、ハロペリドールの併用により抑制しうることを示した。ケタミンの使用可能性を高める組み合わせである。