子宮・卵巣がん肉腫にはカルボプラチン+パクリタキセル:GOG-0261試験
Randomized Phase III Trial of Paclitaxel and Carboplatin Versus Paclitaxel and Ifosfamide in Patients With Carcinosarcoma of the Uterus or Ovary: An NRG Oncology Trial
背景
子宮がん肉腫に対する化学療法としては、イホスファミド・プラチナ製剤・パクリタキセルなどが推奨されており、進行例ではイホスファミドとパクリタキセルの組み合わせが標準治療となっている。Washington University St LouisのPowellらは、化学療法歴のない子宮・卵巣がん肉腫患者を対象に、パクリタキセル+カルボプラチン(PC)のパクリタキセル+イホスファミド(PI)に対する非劣性性を検証する第3相ランダム化比較試験NRG Oncology GOG-0261を実施した(n=539)。
結論
子宮がん肉腫患者449名、卵巣がん肉腫患者90名が適格であった。子宮がん肉腫のステージはI期40%、II期6%、III期31%、IV期15%、再発8%であった。子宮がん肉腫患者における全生存期間の中央値はPC群37ヵ月、PI群29ヵ月であり(ハザード比0.87)、PCの非劣性が示された。無増悪生存期間はそれぞれ16ヵ月、12ヵ月であった(0.73)。PC群では血液学的毒性が多く、PI群では精神混乱、泌尿器出血が多かったほかは、毒性は同等であった。卵巣がん肉腫患者でも、OS・PFSともPC群で長い傾向にあったが、統計的に有意ではなかった。
評価
生存期間についてPC療法がPI療法を上回っており、毒性・QOLプロフィルについては同程度であった。パクリタキセルとカルボプラチンの組み合わせが新たな標準治療となるだろう。