中年期の血中Na濃度高値は高齢期の心不全・左室肥大リスク
Middle age serum sodium levels in the upper part of normal range and risk of heart failure
背景
中年期以後では慢性的脱水が高Na血症を介して心血管リスクを上げる可能性がある。
National Heart Lung and Blood InstituteのDmitrievaらは、Atherosclerosis Risk in Communities studyデータに基づき、ベースラインで正常Na値でDM・肥満・心不全のない中年者11,814名の25年間フォローアップによって、これを検討する後向コホート研究を行った。参加者を試験開始3年内の2度の検診時のNa濃度によって4グループに分類し、その後5度目の検診時(70〜90歳)における各グループでの心不全(HF)・左室肥大(LVH)発症患者率を算定した。
結論
血中Na濃度142.5〜43 mmol/Lは、後のLVH発生リスク62%増と関連し、同143 mmol/L超は、LVH発生リスクの107%増、HFリスクの54%増と関連した。
評価
ARIC大規模長期データを使用した、この問題について最大規模の観察研究である。著者らは、高齢者では血中Na濃度の異常閾値を低めることを示唆している。