猛暑の日にはメンタルヘルス関連の救急受診が増える:アメリカ
Association Between Ambient Heat and Risk of Emergency Department Visits for Mental Health Among US Adults, 2010 to 2019
背景
地球温暖化に伴い猛暑日・酷暑日が増加しつつあり、酷暑が健康に与える影響も注目されている。Boston University School of Public HealthのNori-Sarmaらは、OptumLabs Data Warehouseの医療請求データから、退院時に精神科的な一次・二次診断が行われた2010年〜2019年の5〜9月の救急受診(n=3,496,762)を特定し、酷暑日(郡ごとの季節気温の95パーセンタイル)とメンタルヘルス診断の関連を検討した。
結論
酷暑日は、メンタルヘルス関連の救急受診と関連した(発生率比1.08)。診断別では、物質関連障害(1.08)・不安・ストレス関連身体表現性障害(1.07)・気分障害(1.07)・統合失調症型障害/妄想性障害(1.05)・自傷(1.06)・小児期発症行動障害(1.11)との関連が認められた。また、男性(1.10)・北東部(1.10)・中西部(1.11)・北西部(1.12)では、関連がより強かった。
評価
酷暑日にはメンタルヘルス関連の救急受診が増大し、男性および寒冷地域では、より大きな関連が認められた。日本でもこれからの季節に、メンタルヘルスケアニーズが高まることが想定される。