猛暑の日にはメンタルヘルス関連の救急受診が増える:アメリカ
Association Between Ambient Heat and Risk of Emergency Department Visits for Mental Health Among US Adults, 2010 to 2019

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Psychiatry
年月
April 2022
79
開始ページ
341

背景

地球温暖化に伴い猛暑日・酷暑日が増加しつつあり、酷暑が健康に与える影響も注目されている。Boston University School of Public HealthのNori-Sarmaらは、OptumLabs Data Warehouseの医療請求データから、退院時に精神科的な一次・二次診断が行われた2010年〜2019年の5〜9月の救急受診(n=3,496,762)を特定し、酷暑日(郡ごとの季節気温の95パーセンタイル)とメンタルヘルス診断の関連を検討した。

結論

酷暑日は、メンタルヘルス関連の救急受診と関連した(発生率比1.08)。診断別では、物質関連障害(1.08)・不安・ストレス関連身体表現性障害(1.07)・気分障害(1.07)・統合失調症型障害/妄想性障害(1.05)・自傷(1.06)・小児期発症行動障害(1.11)との関連が認められた。また、男性(1.10)・北東部(1.10)・中西部(1.11)・北西部(1.12)では、関連がより強かった。

評価

酷暑日にはメンタルヘルス関連の救急受診が増大し、男性および寒冷地域では、より大きな関連が認められた。日本でもこれからの季節に、メンタルヘルスケアニーズが高まることが想定される。

関連するメディカルオンライン文献

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)