「慢性心不全患者は減塩」を否定:SODIUM-HF
Reduction of dietary sodium to less than 100 mmol in heart failure (SODIUM-HF): an international, open-label, randomised, controlled trial

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
April 2022
399
開始ページ
1391

背景

「心不全患者は減塩」は古典的な医療原則だが、エビデンスは堅固でない。カナダ University of AlbertaのEzekowitzら(SODIUM-HF)は、18歳以上の慢性心不全患者806名を低ナトリウム食(<1500 mg/日)と通常ケアに割り付ける多国RCTを行った。一次アウトカムは、12ヵ月後での心血管関連入院・救急受診・全原因死亡の複合である。

結論

一次アウトカムに群間差はなかった。介入群はNa摂取量を1日あたり約2,286mgから1,658mgに減らしており、対照群は2,119mgから2,073mgに摂取量を減らしていた。

評価

2018のレビューでは、この問題には2,500論文があるが、RCTは9であった(https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2712563)。今回の検証は史上最大のもので、エビデンスとして強固である。減塩群では、KCCQスコアでQOLの改善が認められたとはしているが、常識への大きなチャレンジである。AHA/ACCの対応が注目される。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)