高リスク前立腺がんでのADT期間は最低何ヵ月か
Interplay Between Duration of Androgen Deprivation Therapy and External Beam Radiotherapy With or Without a Brachytherapy Boost for Optimal Treatment of High-risk Prostate Cancer: A Patient-Level Data Analysis of 3 Cohorts
背景
高リスクの前立腺がん患者では、放射線治療と組み合わせたアンドロゲン遮断療法(ADT)が標準治療だが、副作用を考慮すればADTの期間は短い方が望ましい。University of California, Los AngelesのKishanらは、外部照射放射線治療(EBRT)またはEBRT+小線源照射(BT)を受ける高リスク前立腺がん男性の生存期間に影響を与えるADT期間の閾値を決定するべく、後向コホート研究1件とランダム化比較試験であるRADAR試験、DART試験の患者個別データで検証を行った(n=3,410)。
結論
放射線治療のタイプとADTの期間には有意な相互作用が認められた。無遠隔転移生存(DMFS)への効果をもたらすADT期間の閾値は、EBRTのみを受ける患者で最低26.3ヵ月、EBRT+BT患者では12ヵ月であった。RADAR試験においてEBRTのみを受けた男性では、ADT期間の延長はDMFSの改善をもたらさなかったが(ハザード比1.01)、EBRT+BTを受けた患者ではDMFS改善と関連した(0.56)。
評価
過去のコホート(~2015年)での解析から、高リスク前立腺がん患者が受けるべきADT期間のおおよその下限を示した。ADTの精密化に向け一つの基準となるデータである。