外傷後の肺血栓の一部はin situで形成される
Challenging Traditional Paradigms in Posttraumatic Pulmonary Thromboembolism
背景
外傷後の患者では肺動脈中に血栓がみられることがあるが、近年の研究ではこうした血栓の一部は深部静脈で形成された血栓ではなく、凝固亢進状態によるin situな血栓であることが示唆されている。アメリカUniversity of California, San FranciscoのKnudsonらは、Consortium of Leaders in the Study of Traumatic Thromboembolism研究において、レベル1外傷センター17施設で静脈血栓塞栓症(DVT)リスク因子を有する18〜40歳の入院患者を追跡調査し、下肢DVTを合併していないin situ肺血栓の発生率・リスク因子を検討した(n=7,880)。
結論
3.5%でDVT、0.5%で肺塞栓(PE)、1.5%で肺血栓(PT)が認められた。DVT・PE・PTのない患者では6.2%が入院時にショック症状を有したが、PE患者では約28%、PT患者では約26%でショック症状を有した。DVT・PEのないPTと関連するリスク因子として、入院時のショック(オッズ比2.74)、Abbreviated Injury Score(AIS)が3以上の胸部外傷(1.72)があった。入院時のPTと関連する因子は、AIS >3の胸部外傷および重度の静脈損傷であった。PT・PEに起因する死亡はなかった。
評価
大規模な前向研究により、外傷後の肺血栓が必ずしもDVTを伴わないin situな血栓症であることを明らかにした。抗凝固療法の最適化に向けて、この病態のさらなる理解が不可欠である。


