EHRビッグデータでAIがCADリスクを予測
Coronary Risk Estimation Based on Clinical Data in Electronic Health Records
背景
電子カルテ(EHR)のビッグデータには大きな臨床ポテンシャルがある。Icahn School of Medicine at Mount SinaiのPetrazziniらは、BioMeBiobankの冠動脈疾患(CAD)臨床属性データ(患者555名・対照者6,349名)に基づくCADリスク予測機械学習システムを構築してUKBiobank(患者3,130名・対照者378,344名)データにより外部検証し、従来のプール化コホート算定式(PCE)と、CAD多遺伝子リスクスコアに基づくリスク予測と比較した。
結論
PCEスコアと比較して、構築EHRベーススコアはBioMeBiobankで12%、UK Biobankで9%、CAD予測を改善した。 EHRスコアとPCEスコアのAUROCは各 0.94・0.82であった。EHRスコアはPCEスコアと比較して、両コホートで25.8%・15.2%の個人を再分類した。特にCAD低リスクサブグループではEHRスコアがPCEスコアより有効で、識別が20%、再分類が34.4%改善した。多遺伝子リスクスコアは、PCEスコア・EHRスコアと比較して、CAD予測能が最も劣った。
評価
医療へのAIの応用は画像解析で威力を発揮しており、EHRビッグデータ分析は次の主要テーマである。ここでのリスク予測手法も、さらに批判・改善されて実装されてゆくものとみられる。

