EHRビッグデータでAIがCADリスクを予測
Coronary Risk Estimation Based on Clinical Data in Electronic Health Records

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
March 2022
79
開始ページ
1155

背景

電子カルテ(EHR)のビッグデータには大きな臨床ポテンシャルがある。Icahn School of Medicine at Mount SinaiのPetrazziniらは、BioMeBiobankの冠動脈疾患(CAD)臨床属性データ(患者555名・対照者6,349名)に基づくCADリスク予測機械学習システムを構築してUKBiobank(患者3,130名・対照者378,344名)データにより外部検証し、従来のプール化コホート算定式(PCE)と、CAD多遺伝子リスクスコアに基づくリスク予測と比較した。

結論

PCEスコアと比較して、構築EHRベーススコアはBioMeBiobankで12%、UK Biobankで9%、CAD予測を改善した。 EHRスコアとPCEスコアのAUROCは各 0.94・0.82であった。EHRスコアはPCEスコアと比較して、両コホートで25.8%・15.2%の個人を再分類した。特にCAD低リスクサブグループではEHRスコアがPCEスコアより有効で、識別が20%、再分類が34.4%改善した。多遺伝子リスクスコアは、PCEスコア・EHRスコアと比較して、CAD予測能が最も劣った。

評価

医療へのAIの応用は画像解析で威力を発揮しており、EHRビッグデータ分析は次の主要テーマである。ここでのリスク予測手法も、さらに批判・改善されて実装されてゆくものとみられる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)