血液バイオマーカーで肺がん検診前のリスク評価を精緻化
Blood-Based Biomarker Panel for Personalized Lung Cancer Risk Assessment

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
March 2022
40
開始ページ
876

背景

肺がんリスクの高い個人では、低線量CTを用いた検診の有効性が確立されつつあるが、低線量CT検診が有効な個人の絞り込みには最適化の余地がある。University of Texas MD Anderson Cancer CenterのFahrmannらは、前立腺がん・肺がん・大腸がん・卵巣がん検診の有効性を検証したPLCO試験のデータおよび生物試料サンプルを用いて、肺がんリスク予測モデルPLCOm2012スコアと4マーカープロテインパネル(サーファクタントプロテインB前駆体・CA 125・CEA・サイトケラチン19フラグメント)の併用によるリスク評価パフォーマンスをUSPSTF検診基準と比較した。

結論

がん診断前1年以内に採取されたサンプルにおける4マーカープロテインパネル(4MP)のAUROCは0.79、サンプル全体では0.74であった。4MPとPLCOm2012を組み合わせたモデルのAUROCは、がん診断前のサンプルで0.85であった。4MP+PLCOm2012モデルは、USPSTF2021と比して、10 pack-years以上の検診参加者の肺がんを9.2%多く特定し、がんのない要精検を13.7%減少させると推定された。

評価

血液マーカー検査の精度は良好で、喫煙歴など11項目からなるPLCOm2012モデルと組み合わせることで、既存の検診基準を大きく改善しうることを示した。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)