青少年は脳震盪後しばらくはテレビやスマホを控えるべき?
Effect of Screen Time on Recovery From Concussion: A Randomized Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Pediatrics
年月
November 2021
175
開始ページ
1124

背景

近年、軽度の脳震盪後早期に厳格な安静は必要ないことが明らかになりつつあるが、この期間にテレビやPC、スマートフォンを観ることは問題ないのか。
アメリカUniversity of MassachusettsのMacnowらは、三次医療センターの救急を受傷後24時間以内に受診した12〜25歳の脳震盪患者を、受傷後48時間、スクリーンタイム(ビデオゲーム・テレビ・PC・スマートフォンを観る時間)を許可する群と許可しない群へと割り付け、脳震盪症状の持続に与える影響を評価するランダム化比較試験を実施した(n=125)。

結論

症状消失(Post-Concussive Symptom Scaleが3以下)までの期間は、スクリーンタイム許可群で中央値8.0日、制限群で3.5日であった。スクリーンタイムはそれぞれ中央値630分、130分であった。

評価

小規模な単施設RCTであり、予備的な結果であるが、スクリーンタイムの制限が脳震盪後の回復を早める可能性を示唆した。個別のアクティビティ(ゲームあるいはスマホ)が問題なのか、長時間のスクリーンタイムによる睡眠の質低下が問題なのか、興味深いテーマである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)