胃食道がんでのニボルマブ+イピリムマブは化学療法に優れず:CheckMate 649試験
Nivolumab plus chemotherapy or ipilimumab in gastro-oesophageal cancer
背景
CheckMate 649試験は、日本を含む世界29ヵ国175施設のHER2陽性でない切除不能な進行再発胃/胃食道接合部/食道腺がん患者の初回治療における国際的な第3相ランダム化比較試験であり、化学療法と比して、ニボルマブ+化学療法が全生存期間・無増悪生存期間を改善することを示している。日本National Cancer Center Hospital East(国立がん研究センター東病院)のShitaraらは、同試験におけるニボルマブ+イピリムマブと化学療法を比較した結果を報告するとともに(n=813)、ニボルマブ+化学療法と化学療法の比較における長期結果も報告した(n=1,581)。
結論
最小フォローアップ期間24.0ヵ月で、ニボルマブ+化学療法は、PD-L1発現(CPS≧5)患者(ハザード比0.70)・全患者(0.79)の双方で全生存期間を延長した。一方、ニボルマブ+イピリムマブと化学療法の比較では有意性マージンを満たさなかった(全生存期間のハザード比0.89)。
評価
ニボルマブ+化学療法の結果は昨年Lancet誌に報告されている(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00797-2)。本論文は、先に登録が開始されたニボルマブ+イピリムマブと化学療法の比較について初めて報告したが、この併用治療ではベネフィットが認められなかった。


