バイオプロテーゼ大動脈弁置換術に対するロス手術の優位を確認
Improved Outcomes Following the Ross Procedure Compared With Bioprosthetic Aortic Valve Replacement
背景
若年・中年成人におけるロス手術と生体弁による大動脈弁置換術(BAVR)の長期優劣は。
カナダ Toronto General HospitalのOuzounianらは、1990〜2014年にToronto General Hospitalでロス手術またはBAVRを受けた16〜60歳の患者108組を比較した。一次アウトカムは全原因死亡である。
結論
両群とも手術による死亡はなかった。平均追跡期間14.5年で、ロス手術の一次アウトカム優位を認めた(HR:0.35)。死亡を競合リスクとすると、ロス手術は再介入率(HR:0.21)・弁劣化(HR:0.25)・血栓塞栓性イベント(HR:0.15)・恒久ペースメーカー植込み(HR:0.22)のすべてで優っていた。
評価
同手法の優位性に関する既報(https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2021.01.034)を裏書きする結果である。より高難度であり、センター施設を設定して行うべきものであろう。