プライマリーケアかかりつけ医が心不全を見張る: イギリスNHS報告
Primary care heart failure service identifies a missed cohort of heart failure patients with reduced ejection fraction
背景
心不全診療には地域連携が不可欠だが、フォローアップの途絶や不十分な診断・治療が問題視されている。英国の心不全プライマリーケア(PCHF)サービスは、企業とNHSの連携により患者の診断・治療介入をサポートするもので、同国 University of ManchesterのCampbellらは、このシステムを用いた地域連携心不全診療の有益性を評価した(n=19,393)。
結論
PCHFサービスにより、LVSD患者の診断率が47%向上し、左心室収縮機能障害(LVSD)を有する心不全の有病率が0.7%から1.05%と増加した。662名の患者が循環器専門医のレビューを受け、心不全患者の62.4%でデバイス治療適応があり、45%で薬物治療の最適化が必要であった。
評価
心不全兆候や診療情報などから、独自の心不全管理フレームワークを用いて地域診療の最適化が行われた英NHS報告である。重度LVSDやHFrEF/HFmrEF患者が主なレビュー対象となっているが、多くが未診断とされているHFpEFの早期発見・介入も、地域診療では大きな課題として残る。類似例の米CHAMP-HFレジストリ(https://www.jacc.org/doi/abs/10.1016/j.jacc.2018.04.070)とは桁違いの規模で、世界的範例となった。


