糖尿病性腎症管理にウェブベースチームケア:JADE
Effect of a Web-Based Management Guide on Risk Factors in Patients With Type 2 Diabetes and Diabetic Kidney Disease: A JADE Randomized Clinical Trial
背景
Joint Asia Diabetes Evaluation(JADE)は、中国主導で開発されたウェブベースDM管理システムである。中国 The Chinese University of Hong KongのChanらは、糖尿病性腎臓病(DKD)患者2,393名 を対象として、同システムの有益性を検証する非盲化RCTを行った。8国13病院からの参加患者を、1:1:1の割合で標準ケア群・エンパワメントケア群・医療チームベースエンパワメントケア群に割付け、ベースラインと12ヵ月後にJADEウェブサイトでアセスメントを行った。エンパワメントケア群患者には3ヵ月に1度看護師からの電話と個別指導を行い、医療チームベースエンパワメントケア群患者は、それに加えて3ヵ月に1度医療チームが対面レビューを行った。主要アウトカムは、複合治療ターゲット( HbA1c値 <7.0%・血圧<130/80 mm Hg・LDL-C<1.8 mmol/L・TG<1.7 mmol・RAAS阻害薬継続のうち3つ以上)を達成した患者率である。
結論
医療チームベースエンパワメントケアが主要アウトカム達成で優れた(標準ケア3.9% vs エンパワメントケア1.3% vs. 医療チームベースエンパワメントケア 9.1% )、諸変数調整後も結果は同様だった(リスク比: 標準ケア1.17・エンパワメントケア1.25 )。
評価
香港ベースのプログラムで(https://www.adf.org.hk/en/program/jadevision)、日本を除く多くの東アジア国が参加している。同グループは米英施設と共同でチーム医療の有益性のメタアナリシスを発表しているが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29784698/)、ウェッブベースチーム医療は重要な今後の方向である。