セラピードッグで救急患者の痛みと不安を取り除く
Outcomes of a controlled trial with visiting therapy dog teams on pain in adults in an emergency department

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
PLoS One
年月
March 2022
17
開始ページ
e0262599

背景

セラピードッグの利用は小児がんや高齢者医学の領域で拡がりつつあるが、救急でのドッグセラピーは患者にどのような効果をもたらすか?
カナダUniversity of SaskatchewanのCareyらは、Royal University Hospitalの救急を受診した患者(n=97)に対して、St. John Ambulanceセラピードッグチームの訪問、または訪問なしを曜日ごとに割り付け、訪問前後の疼痛・不安・抑うつ・幸福度を測定、比較する比較対照試験を実施した。

結論

ドッグセラピー群では、訪問の前後で11段階の疼痛スコアに有意な低下が認められたが(平均-0.9ポイント)、対照群では認められなかった。不安(-1.13)・抑うつ(-0.72)・幸福度(-0.87)についても、ドッグセラピー群でのみ有意な改善が認められた。血圧・心拍数には、いずれの群でも前後差は認められなかった。

評価

本研究では10分間のドッグセラピー介入により、複数のスコアに大きな改善が認められた。救急でのセラピードッグ活用についてはまだ研究が少ないが、多くの患者が疼痛と不安を抱えている環境でもあり、期待は大きい。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)