セラピードッグで救急患者の痛みと不安を取り除く
Outcomes of a controlled trial with visiting therapy dog teams on pain in adults in an emergency department
背景
セラピードッグの利用は小児がんや高齢者医学の領域で拡がりつつあるが、救急でのドッグセラピーは患者にどのような効果をもたらすか?
カナダUniversity of SaskatchewanのCareyらは、Royal University Hospitalの救急を受診した患者(n=97)に対して、St. John Ambulanceセラピードッグチームの訪問、または訪問なしを曜日ごとに割り付け、訪問前後の疼痛・不安・抑うつ・幸福度を測定、比較する比較対照試験を実施した。
結論
ドッグセラピー群では、訪問の前後で11段階の疼痛スコアに有意な低下が認められたが(平均-0.9ポイント)、対照群では認められなかった。不安(-1.13)・抑うつ(-0.72)・幸福度(-0.87)についても、ドッグセラピー群でのみ有意な改善が認められた。血圧・心拍数には、いずれの群でも前後差は認められなかった。
評価
本研究では10分間のドッグセラピー介入により、複数のスコアに大きな改善が認められた。救急でのセラピードッグ活用についてはまだ研究が少ないが、多くの患者が疼痛と不安を抱えている環境でもあり、期待は大きい。