エンバグリフロジン急性心不全への臨床的有益性を示す:EMPULSE
The SGLT2 inhibitor empagliflozin in patients hospitalized for acute heart failure: a multinational randomized trial
背景
SGLT2阻害薬エンパグリフロジンの急性心不全有効性が確認されつつある。オランダUniversity of GroningenのVoorsら(EMPULSE)は、同入院患者530名を対象に、安定後(中央値3日)エンパグリフロジン投与の効果を検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、臨床的利益(全原因死亡・心不全イベント数・初発心不全イベントまでの時間・90日時点KCCQ-TSSのベースラインからの5ポイント以上)である。
結論
エンパグリフロジンの一次アウトカム効果を認めた(層化win ratio、1.36)。臨床的有用性は、de nono急性心不全でも慢性心不全の非代償化のいずれにおいても、またLVEF・DMに関係なく認められた。忍容性は良好で、重篤有害事象は実薬群・プラセボ群で各32.3%・43.6%報告された。
評価
80名を対象としたパイロットEMPA-RESPONSE-AHFでは「有益だろうが著効ではない」という結果であった(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31912605/)。大規模検証でそれより良いデータを出して、急性心不全初期患者への使用をサポートした。