急性脳梗塞での血管内治療中の抗血栓療法は有害無益:MR CLEAN-MED試験
Safety and efficacy of aspirin, unfractionated heparin, both, or neither during endovascular stroke treatment (MR CLEAN-MED): an open-label, multicentre, randomised controlled trial
背景
急性脳梗塞患者に対する血管内治療中の抗血小板・抗凝固療法はアウトカムを改善するのか。
オランダErasmus University Medical Centerのvan der Steenらは、同国15施設の発症6時間以内に血管内治療を開始可能な前方循環系主幹動脈閉塞患者を、周術期のアスピリン静注またはアスピリンなしの2群、さらに中用量の未分画ヘパリン、低用量の未分画ヘパリン、未分画ヘパリンなしの3群へと、それぞれ割り付ける2×3要因デザインによるランダム化比較試験を実施した。
結論
663名を登録した段階で、安全性の懸念から試験は中止された。アスピリン群では症候性脳内出血のリスクが高く(14% vs. 7%; 調整オッズ比 1.95)、未分画ヘパリン群でも同様であった(13% vs. 7%; 1.98)。また、アスピリン・未分画ヘパリンとも、非有意ながら修正ランキンスケールを悪化させる傾向があった。
評価
予定の半数以下の登録数で試験は早期終了となった。脳梗塞の血管内治療中の抗血栓療法には、出血リスクを上回るベネフィットがないと思われる。