高リスク神経芽腫に新規化学免疫療法が高い効果
Improved Outcome in Children With Newly Diagnosed High-Risk Neuroblastoma Treated With Chemoimmunotherapy: Updated Results of a Phase II Study Using hu14.18K322A
背景
神経芽腫細胞に発現する糖脂質ガングリオシド(GD2)を標的とするモノクローナル抗体を用いた神経芽腫治療が注目されている。St Jude Children's Research HospitalのFurmanらは、新規に診断された高リスク神経芽腫小児に対し、導入化学療法とともにヒト化抗GD2モノクローナル抗体(hu14.18K322A)、GM-CSF、低用量IL-2を投与し、地固めレジメンとしてブスルファン、メルファランを、さらに可能であれば両親由来のNK細胞とhu14.18K322Aを追加、地固め療法終了時に放射線療法を行い、その後の治療はhu14.18K322A、GM-CSF、IL-2、イソトレチノインを投与する第2相単群臨床試験を実施した(n=64)。
結論
治療は投与中の持続的鎮痛により良く忍容された。最初の2サイクルの後、66.7%で部分奏効以上の奏効が生じた。原発腫瘍の体積は中央値75%減少した。1サイクル目の血清hu14.18K322Aピーク値は早期の奏効と関連した。導入療法終了時には97%で部分奏効以上の奏効を認め、この間に病勢進行した患者はなかった。3年無イベント生存率(EFS)は73.7%、全生存率は86.0%であった。
評価
高リスク神経芽腫におけるこれまでで最良の治療成績であり、大規模試験で確認されれば新たな標準治療となりうる。日本では2021年に最初の抗GD2モノクローナル抗体ジヌツキシマブが承認されている。