NAFLDはT2D患者の重症低血糖リスクを増す
Analysis of Severe Hypoglycemia Among Adults With Type 2 Diabetes and Nonalcoholic Fatty Liver Disease
背景
非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD)が2型糖尿病(T2D)を増悪する、という報告がなされた。韓国Yonsei UniversityのLeeらによるもので、同国の健康保険登録20歳以上のT2D患者1,946,581名のデータ解析結果である。NAFLDは脂肪肝簡易指標(FLI)を代理マーカーとし、重症低血糖を低血糖による入院・救急治療と定義した。
結論
5.2年間の追跡調査期間中、2.3%の患者で1回以上重症低血糖イベントが発生した。発生患者は非発生患者と比べ高齢・低BMIであった。BMI等の調整後、FLIと重症低血糖との間にJ型相関がみられ、NAFLDを併発している患者の方が重症低血糖発生リスクが高かった。リスクは体重の軽い女性で強かった(aHR:女性 1.29・低体重1.71)。
評価
NAFLDとT2Dの併発は55.5%.と報告されているが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31279902/)、NAFLDが同患者の重症低血糖リスクを増す、という報告は初とみられる。