頭側挙上デバイスを用いたヘッドアップ心肺蘇生を報告
Faster time to automated elevation of the head and thorax during cardiopulmonary resuscitation increases the probability of return of spontaneous circulation

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Resuscitation
年月
January 2022
170
開始ページ
63

背景

頭側を挙上した状態(Head Up Position)で心肺蘇生(CPR)を行うと脳血流が改善することが示されているが、ヒトの心停止でこのコンセプトを検証した研究が現れた。University of MinnesotaのMooreらは、心停止治療バンドルに自動HUP-CPRデバイスの使用を組み込み、その臨床アウトカムを検討する前向観察レジストリを開始し、バンドル治療開始までの時間と自己心拍再開(ROSC)への影響を調査した(n=227)。

結論

自己心拍再開率は34%であった。911通報から自動HUPデバイス装着までの時間(中央値)は施設により、6.4分から19.0分と差があった。4〜12分で装着された患者では、1分経過ごとに自己心拍再開率が5.6%低下した。6〜15分で装着されたショック可能リズムの患者では、1分経過ごとに9.0%低下した。

評価

2019年にFDAが認可したこの自動HUPデバイスは、自動心マッサージ器とともに用いるもので(Fig. 1に見ることができる)、本研究はこのデバイスの最初の臨床使用報告である。心停止治療の未来の形となるのか、注目される。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)