頭側挙上デバイスを用いたヘッドアップ心肺蘇生を報告
Faster time to automated elevation of the head and thorax during cardiopulmonary resuscitation increases the probability of return of spontaneous circulation
背景
頭側を挙上した状態(Head Up Position)で心肺蘇生(CPR)を行うと脳血流が改善することが示されているが、ヒトの心停止でこのコンセプトを検証した研究が現れた。University of MinnesotaのMooreらは、心停止治療バンドルに自動HUP-CPRデバイスの使用を組み込み、その臨床アウトカムを検討する前向観察レジストリを開始し、バンドル治療開始までの時間と自己心拍再開(ROSC)への影響を調査した(n=227)。
結論
自己心拍再開率は34%であった。911通報から自動HUPデバイス装着までの時間(中央値)は施設により、6.4分から19.0分と差があった。4〜12分で装着された患者では、1分経過ごとに自己心拍再開率が5.6%低下した。6〜15分で装着されたショック可能リズムの患者では、1分経過ごとに9.0%低下した。
評価
2019年にFDAが認可したこの自動HUPデバイスは、自動心マッサージ器とともに用いるもので(Fig. 1に見ることができる)、本研究はこのデバイスの最初の臨床使用報告である。心停止治療の未来の形となるのか、注目される。