限局性前立腺がん、患者は手術を後悔することが多い
Association of Treatment Modality, Functional Outcomes, and Baseline Characteristics With Treatment-Related Regret Among Men With Localized Prostate Cancer
背景
限局性前立腺がんの治療には複数の選択肢があるが、患者は自分の選択をどう考えているのだろうか。Vanderbilt UniversityのWallisらは、限局性前立腺がん男性を対象とする集団ベースの前向コホート研究を行い、手術・放射線治療・積極的監視療法の選択と治療に関連する後悔との関連を検証した(n=2,072)。
結論
診断から5年時点で、手術を受けた患者の16%、放射線治療を受けた患者の11%、積極的監視療法を受けた患者の7%が治療に関連した後悔を報告した。背景因子を調整すると、手術を受けた患者は積極的監視療法と比して後悔する可能性が高く(調整オッズ比2.40)、放射線治療患者では差はなかった(1.53)。性機能障害は後悔と有意に関連した。治療前の期待と比較した患者主観的な治療有効性(調整オッズ比5.40)と副作用(5.83)が後悔と関連した。また、意思決定支援ツールスコア(0.80)・ソーシャルサポート(0.78)・年齢(0.78)は後悔の軽減と関連した。
評価
手術を選択した患者では後悔が有意に多かった。こうした後悔には機能アウトカムよりも、治療前の期待と結果との不一致が大きく寄与した。詳細なカウンセリングと丁寧な意思決定プロセスの重要性を改めて強調する知見である。