がん治療中患者にもCOVID-19ワクチンは有益:オランダ
mRNA-1273 COVID-19 vaccination in patients receiving chemotherapy, immunotherapy, or chemoimmunotherapy for solid tumours: a prospective, multicentre, non-inferiority trial
背景
がん患者はSARS-CoV-2感染によるリスクが高く、COVID-19を予防するためのワクチン接種が推奨されているが、治療を受けているがん患者での免疫原性・安全性データは不足している。オランダUniversity of GroningenのOostingらは、同国3施設の非がん患者(コホートA)、免疫療法(コホートB)、化学療法(コホートC)、化学免疫療法(コホートD)を受ける固形がん患者を登録し、mRNA-1273(Moderna)の2回接種を行い、がん全身治療とCOVID-19ワクチンの免疫原性・安全性との関連を評価した(n=791)。
結論
2回目のワクチン接種から28日後のSARS-CoV-2結合抗体反応は、コホートAで100%、コホートBで99%、コホートCで97、コホートDで100%であり、各コホートともコホートAに非劣性であった。また、新たな安全性シグナルは認められなかった。ワクチンと関連する可能性のあるグレード3以上の重篤有害事象として、発熱・下痢・発熱性好中球減少症があった。ワクチン関連の死亡はなかった。
評価
全身治療中のがん患者においても新型コロナワクチン接種により、十分な抗体反応が得られることを確認した。post-hoc解析では少数ながら抗体レベルがカットオフ値に満たない患者もおり、これらの患者ではブースター接種も選択肢に入るだろう。